海外FXのゼロカットシステムで追証(借金)なし!仕組みからデメリットまで解説します
国内FXと比較すると、海外FXの最たるメリットの一つは「ゼロカットシステム」と言われています。
追証が発生してもその損失を海外FX業者が被るというもので、トレーダーには神のようなシステムですが注意点もあります。
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海外FXのゼロカットシステムとは?
記事冒頭でも触れましたが、海外FXのゼロカットシステムとは
【ゼロカットシステムとは?】
相場の急激な変動によって口座残高がマイナスになっても、そのマイナスを業者が補填してくれるシステムのこと。
ロスカットがあるのにゼロカットシステムが必要な理由
海外FXだけでなく国内FXにも「ロスカット」があります。
短期間で相場が大きく変動しこれ以上はマイナス残高になるというシーンで発動するシステムです。
口座資金をわずかに残してポジションは全て強制決済されるので、マイナス残高になることはありません。
つまりロスカットとはマイナス残高にならないための安全装置のようなものですね。
ですがこのロスカット、実は近年発生したようなスイスフランショックや東日本大震災ショックなどの際にはうまく機能しませんでした。
というのもあまりにも急激な為替変動にはロスカットでは対応できないからです。
その結果多くの追証請求が発生してしまったのです。。
大規模な為替変動例 | 発生年 | 追証 |
東日本大震災ショック | 2011年 | 約25億円 |
スイスフランショック | 2015年 | 約20億円 |
南アフリカ/円暴落 | 2016年 | 約2.5億円 |
イギリス国民投票 | 2016年 | 約2億円 |
【FXの借金はカードローンの借金と同じ】
FXで発生した借金はカードローンと同じ扱いなので、マイナス分は家財を売り払ってでも補填しなくてはいけません。
また原則一括払いなので相当な負担となってトレーダーにのしかかります。
例えばスイスフランショックの際、以下海外FX業者は全てゼロカットシステムを作動させトレーダーの追証を全て補填しました。
- XMTrading
- iForex
- TitanFX
- FxPro
各社数億円に上るとんでもない損金でしたが、トレーダーに請求することは一切無く自社で処理をしたんです。
なぜ海外FX業者はゼロカット(追証無し)が可能なの?
海外FXは国内FXとは違い、追証の負担を全て被る戦略をとりました。
これによってトレーダーは安心してより積極的なトレードができ、結果的にスプレッドを広くとっている海外FX業者は大きく儲かることに成功しています。
そのため万が一の時でも比較的資金が潤沢にあるんですね。
また相場の変動でいよいよロスカットが近づいてきた場合に、最大レバレッジを制限するなどの対策を事前に行います。
【海外FX業者が「その日」に備えてやること】
- 最大レバレッジの制限
- 分別管理
顧客の資産とFX業者の経営資金を別の銀行口座で管理すること - 信託保全
顧客の資産を信託銀行に預託して、FX業者が倒産時に信託管理会社がトレーダーへ返金すること
ゼロカットは優秀なシステムですが、すべての業者が先ほどのような準備をしている訳ではありません。
そのため海外FX業者選びは慎重に、信頼できるところを選択するのがとても重要なんですね。
国内FXではなぜゼロカットシステムが無いの?
第三十八条の二 金融商品取引業者等は、その行う投資助言・代理業又は投資運用業に関して、次に掲げる行為をしてはならない。一 投資顧問契約、投資一任契約若しくは第二条第八項第十二号イに掲げる契約の締結又は解約に関し、偽計を用い、又は暴行若しくは脅迫をする行為二 顧客を勧誘するに際し、顧客に対して、損失の全部又は一部を補てんする旨を約束する行為(損失補塡等の禁止)参照:金融商品取引法
金融庁に登録しているすべてのFX業者で、ゼロカットやハイレバレッジは禁止されています。
サクソバンクや外為ファイネストなどの外資系証券会社も金融庁に登録しているので、例外なくゼロカットは禁止されています。
2019年6月頃、「東郷証券」という国内証券会社がトレーダーの追証を補填して金融商品取引法違反容疑で強制捜査になったことがあります。
その際に取締役が東京地検特捜部に逮捕されました。
このように金融庁に登録している国内FXではゼロカットは「アウト」なんですね。
国内FX業者はそもそも法律によってハイレバレッジは禁止されており、最大25倍までに制限されています。
さらに追証を補填するとなると証券会社の経営が不安定になり倒産のリスクが出てきます。
そのため「ゼロカット」ができないように法律で縛っているんですね。
ただし海外FX業者すべてが信用できる訳ではありません。
この後ゼロカットを反故にした悪徳業者も紹介します。
海外FXゼロカットシステムのデメリットや弱みは?
海外FXは追証は無いが一時的にマイナス残高になる
海外FXは追証は発生しませんが、急激な為替変動で一時的にマイナス残高になることがあります。
その際は数時間待つことでゼロカットシステムが発動しますが、その間のトレードはできません。
早く復活させたい場合は少額でも構わないので入金をすることでマイナス残高が解消されます。
海外FXでは両建ては禁止の場合が多い
海外FXでは基本的に両建ては禁止されていますが、両建ての種類によっては可能です。
- 同じ口座内での両建て(OK)
- 同じ海外FX業者の複数口座内での両建て(禁止)
- 異なる海外FX業者間の両建て(禁止)
両建てが②と③で禁止されている理由は
- 海外FXの充実したボーナス
- 海外FXのゼロカットシステム
で、これらを悪用されることで海外FX業者側が負担する損失額のリスクが大きくなるためです。
例:同じ海外FX業者で2つの口座を持っているケース
口座1:買いポジションのみ
口座2:売りポジションのみ
ここで急激な価格変動が発生した場合、
口座1:利益が出続ける
口座2:ゼロカットにより口座残高以外の損失は業者が負担
となり、トレーダーは口座1で利益を上げ続け、業者は口座2の損失を負担し続けることとなります。
実際に異なる海外FX業者間で両建てを行った結果、アカウントが凍結されたケースは過去に複数あります。
バレないからいいや!と思っていても、実際にはバレるので絶対に異なる業者間での両建ては止めておきましょう。
ただし有名な海外FX業者の中にも複数口座や異なる業者間での両建てを禁止していないところもあります。
以下2社は複数口座や異なる業者間での両建てともに制限無しです。
- Tradeview
- Traders Trust
海外FXでゼロカットされないこともある
今でも記憶に新しい2015年のスイスフランショックの際、多くの海外FX業者はゼロカットを発動してトレーダーの損失を全て補填しました。
ですがある1社だけ急にゼロカットできないと方針を変え、多くのトレーダーに借金を負わせた企業があります。
あの某業者です。
2012年にアメリカで創業した老舗FX企業で、当時日本語サポートにいち早く対応した業者でした。
そのため多くのトレーダーが信用をして取引を行っていましたが、あのスイスフランショックの際に急に手のひらを返し、多くのトレーダーに借金を負わせました。
まとめ
- ゼロカットとは「相場の急激な変動によって口座残高がマイナスになっても、そのマイナスを業者が補填してくれるシステム」のこと
- あまりに急激な価格変動には強制ロスカットでは対応できない
- 海外FX業者がゼロカットを採用している理由は、借金の心配を無くすことでトレードを促し、手数料で儲ける戦略のため
- 海外FX業者は万が一の時のために「分別管理」や「信託保全」を行っている
- 国内FX業者にゼロカットが無いのは法律で禁止されているため
- 海外FXでの両建ては
-同じ口座内での両建て(OK)
-同じ海外FX業者の複数口座内での両建て(禁止)
-異なる海外FX業者間の両建て(禁止) - 海外FXでゼロカットをしなかった業者も過去にあるので注意
ゼロカットがあれば怖いものなんか何もなく私はもはや大金持ち確定だなって思いました。
海外FXと国内FXの税金の違いについてもまとめているので、あわせてご確認ください♪