【税理士に聞いてみた】海外FXの税金を完全解説:サラリーマンや法人の納税シミュレーションも
海外FXで利益が出て喜んでいるのもつかの間、確定申告の時期が近づいてきました。
国内FXに慣れている方も海外FXの税金の計算方法や税率は異なるので注意が必要です。
【この記事で解消できる疑問】
- 税金が発生するタイミングは?
- 税金はいくらから発生する?
- 計算方法とシミュレーションは?
- 税金対策は?
- 利益は黙っていればバレない?抜け道は?
- 会社にバレたくないんだけど…
海外FXの税金が発生するタイミングは出金時じゃない?
税金支払いの義務が発生するのは、ポジションが決済され利益が出たタイミングです。
海外FXブローカーからの出金がタイミングではありません。
スワップポイントで税金が発生するタイミングは?
スワップポイントの場合、ポジション決済時に利益になる業者が多いです。
つまりスワップポイントについてもポジション決済時に課税の対象になります。
海外FXの税金は利益がいくらから発生するの?
海外FXの税制区分は「総合課税の雑所得」です。
税区分 | 総合課税 |
税率 | 累進課税 |
所得区分 | 雑所得 |
この雑所得は利益が20万円又は38万円を超えると納税の義務が発生します。
【税金が発生するケース】
- 給与所得者:20万円以上
- 給与所得者以外の人:38万円以上
もしも海外FXで上記に当てはまる場合は確定申告をしなくてはなりません。
海外FXで損失が出た場合の税金は?
国内FXだけでなく海外FXも損失しか出ていない場合はもちろん税金は発生しません。
ですが法人で他に収入源があって利益が出ている場合、その利益を海外FXの損失と相殺できます。
【具体的な例】
法人口座のAくんは今年海外FXで100万円の損失を出しました。
ですが他にアフィリエイトで200万円の利益を得ていたので、200万円-100万円=100万円となり、この100万円だけが課税対象になりました(チャンチャン)
海外FXの損失は繰越できない?
総合課税の特徴として、その年に発生した利益も損益もその年中に決算をしなくてはいけないというルールがあります。
残念ですが海外FXで発生した損失は翌年に繰越はできないので注意しましょう。
海外FXの税金計算方法とシミュレーション
【シミュレーション】
Aさんは給与所得が400万円+海外FXの利益は100万円の合計500万円です。
収入金額500万円の給与所得控除額は「427,500円」なので
500万円-42.75万円=4,572,500(課税対象)
4,572,500×20%(所得税率)=所得税914,500万円
収入金額 | 所得税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円~330万円 | 10% | 97,500円 |
330万円~695万円 | 20% | 427,500円 |
695万円~900万円 | 23% | 636,000円 |
900万円~1800万円 | 33% | 1,536,000円 |
1800万円~4000万円 | 40% | 2,796,000円 |
4000万円~ | 45% | 4,796,000円 |
出典:国税庁ホームページ
海外FXの税金対策は?
【海外FXの経費例】
- 売買手数料
- FX関係の書籍代
- FX関係のセミナー代
取引手数料やスプレッドは必要経費にならない?
海外FXを初めてまだ間もない方で取引手数料やスプレッドを経費としてとらえている方がいます。
ですがFX取引の精算は最終的に各取引が終了した時点で手数料はすでに引かれています。
またスプレッドも売買時の為替レート手数料ですでに加味されたものになります。
そのため取引手数料やスプレッドを経費としてしまうと、二重に引いたこととなってしまうので注意しましょう。
法人の税金対策は魅力的
個人ではなく法人で海外FXを行った場合様々なメリットがあります。
【法人化メリット】
- 税金面
- 経費面
- 損益通算
中でも損益計算は強力で仮に海外FXで損益が100万円、他の事業の利益が100万円の場合、100万円-100万円=0円となり税金はかからなくなります。
他の事業の利益と相殺できるのは法人ならではのメリットです。
海外FXの税金申請はやらなくてもばれない?抜け道はあるの?
海外FXブローカーから出金したお金が銀行口座に着金しても、誰も中身を見ることはできない…
こう考えている方もいるのではないでしょうか?
もしもこういう考え方をされている場合は、絶対にやめた方が良いです。
日本の銀行は海外から一定金額以上の送金が合った場合、それを税務署に知らせています。
またその情報をもとに海外の機関に調査を依頼することで、あなたの海外FXの利益が簡単にバレてしまいます。
繰り返しますが日本の税務署の調査能力はとても高いです。
出金しなければバレないと思っていてもあの手この手でハイレベルな調査を行います。
バレなきゃいい…ではなく、しっかりと利益分を確定申告して後ろめたさ無しに海外FXは行いましょう。
サラリーマンの海外FX税金が会社にバレない方法
確定申告の際に住民税の納付方法を「普通徴収」か「特別徴収」から選ぶ項目があります。
この違いは以下の通りです
【住民税の納税方法】
- 普通徴収…自分で納付
- 特別徴収…会社が給料から天引き
つまり普通徴収を選択すれば会社とは別で住民税を支払うことになり、全くバレることはありません。
さいごに
- 税金が発生するタイミングはポジション決済時!
- スワップポイントもポジション決済時に課税の対象
- 利益が20万円又は38万円を超えると納税の義務が発生
- 損益がマイナスなら税金はかからない
- 損失の翌年への繰り越しは不可
- 海外FXは総合課税なので給与所得等の収益を合算して課税
- 売買手数料・FX関係の書籍代・FX関係のセミナー代は経費になる
- 取引手数料やスプレッドは必要経費にならない
- 利益は黙っているといずれ税務署にバレる
- 会社にバレたくないなら「普通徴収」を選択
やっぱり税金って難しいから利益が出ても黙っておこうと思いました。